
フロントグリル付近をアオシマのパーツを流用しながら再生する
ADVAN CAROT KURATA TRUENO ’84
土屋圭市氏が、1984年富士フレッシュマンレース AE86クラス 開幕6戦連勝、シリーズチャンピオンを獲得したTRUENO、土屋氏の談では全8戦の最終戦は「ほかのドライバーがやる気をなくすから」ということで主催者から出場辞退を促され欠場したとか。翌年、ADVAN LEVIN*でグループAにエントリー、エンジントラブルでリタイヤが続くも最終戦のINTER TECで優勝と続く。
’84 ADVANキャロット倉田TRUENOはフジミから1980年代後半にキット化されたが2025年現在は絶版。オークション等ではトミカリミテッドやエポック社の1/43のミニカーを見かけるが、フジミのキットも時々出品されている。
たぶん、キットを入手しても当時もののデカールは劣化していると思うが、アフターマーケットで発売されていることを知り、フジミのトレノ(前期)をベースに「キャロット倉田TRUENO ’84」を復刻する。
*’85 ADVAN LEVINはフジミから2023年4月に新型シャーシを採用して再販中
1/24 ISD001 トレノ前期型1600GT APEX AE86 藤原拓海

ADVAN TRUENO復刻の種車は2025年発売『四輪独立アライメント調整機構』を搭載した新シャーシ仕様で登場したものを購入
もともと頭文字Dの仕様にはあまり興味がないが、いろいろパーツが追加されているのもあって選択。とりあえずはフジミのトレノ前期で新シャーシ仕様であれば何でもよかったのが正直なところ
アオシマの藤原拓海仕様も積んであるが、大柄なアオシマよりフジミのたたずまいが好み。
フロントの作りこみ
ボンネット延長のため取り去ったフロント部分の作りこみはサイドターンランプ→ライトカバー→ラジエターグリルの順で作業を行う
QC N0. 18. サイドターンランプの位置決め

アオシマのサイドターンランプは段付きになっている。0.5tのプラシートの2枚重ねでちょうどピッタリ。現物合わせで車体に接着
QC N0. 19.ライトカバー

アオシマのライトカバーを流用
ただし、レビンの透明ランナーについているライトカバーはやや丸みのある後期用なので本来前期はほぼ平面なのだがここは妥協した。
位置を決めるものが何もないので裏から練ったエポキシパテを詰めて土台にして接着した。

アオシマから流用の透明パーツのライトカバーはあらかじめ軽くサフェーサーを吹いておいた。
エポキシパテはゆっくり固まる高密度タイプを使ったので角度やバンパーとボンネットとの間隔を見ながらゆっくり位置決め。
ボンネットの延長は目見当、使うパーツをあてがいながらの現物合わせなので、若干「チリ」は合わないものの角度を変えながら一番自然に見える位置とした。エポキシパテの高密度タイプは硬化まで時間がかかるのでここで置いて、以降は翌日とした。
※今回流用したアオシマの透明ランナーに付いていたライトカバーは実は「後期用」で、裾の部分が絞られていることに、後で気づいたため、後日修正するか検討中。前期はこの部分がほぼ平面の黒プラで、アオシマのキットは「前期」用のカバーが別に用意されている。
QC N0. 20. ラジエターグリルを作る

ライトカバーの横にまず現物合わせで縦桟を入れて枠を作る
0.3tのプラシートをボンネットのカーブに合わせてまず三枚切り出す。三本の横桟のうち、真ん中の桟は「二重」になっている。三枚重ねにするときに真ん中のシートを少しずらして接着し二重を作った
ラジエターグリルの
接着は、流し込みのタミヤセメントで仮止め、裏から瞬間接着剤で固定

見えにくいが、フジミのグリルも、この「二重」はきちんと表現されているが、抜けていないのが残念。
グリルの三本のうち上下の横桟は上はボンネット、下はバンパーに接地した状態でも見た感じが問題なかったのでそのまま接着した。

裏側から縦桟を5本。目見当でも案外間隔は均等になるもの(ただし、現車は6分割ではなく8分割)
サイドターンランプの枠はプラシートの点付け接着だったので「溶かしランナーパテ」を使って補強した。

「顔」が完成
TRUENO前期のライトカバーとラジエターグリルは実車では黒いプラスチック素地のままだったかと記憶。光沢、半光沢を迷ったがクレオスC-92セミグロスブラックを吹いた。
F.Y.R. (For Your Reference)
アオシマのパーツ流用

アオシマの前期用パーツはオークションで入手
赤:05-119-3 TRUENO テール(赤)
橙:05-119-5 TRUENO テール(橙)パンパーウインカー、サイドターンシグナル
クリア:05-119-1 TRUENO テール(バックランプ)
※バックランプのランナーはアオシマ TRD N2 ”LEVIN”のクリアパーツに一緒に付いていたものを使用。クリアパーツはTRUENO、LEVINで共通のようで後期TRUENOのテールやライトカバーなどなどいろいろ付属している。

蛇足ながら、アオシマのLEVINの透明ランナーにはTURUENOのライトカバーや後期のテールランプの一部、ライトレンズなども含まれている。