デッドニング

車の天井の制振・断熱 施工編(3)3M シンサレート 吸音材

今回は3段階の施工

制振材→断熱材→吸音材と3段階にした。天井のライニングは断熱効果のありそうな素材ではあるが機能は最小限で真夏の炎天下では力不足だと思う。

今回はオーディオ的見地から上級グレードに設定されているサウンドオプションパッケージを真似てシンサレートを載せる事にした。

作業的には天井を戻す際に配線を元に戻してからになる。事前に並べてみて位置とサイズを確認したら天井を戻す作業に取り掛かる

接着する人も多いが天井を戻せば動かないので無理に接着しなくても良いと思う

上級グレードのサウンドパッケージオプションにならって残ったシンサレートをA、Bピラーカバーやクオーターパネルに貼り付けて元に戻してゆく。

外から天井を叩くとゴッツという鈍い音がする以外何事もなかったように普通になる(笑)

車の天井の制振・断熱 施工編(2)東レ ペフ 断熱材

コーヒーブレークを終えたら東レ「ペフ」の貼り込み。シンサレートと一緒に事前に寸法を調べてカットし、下準備はしてあるのであてがってみて補正がなければどんどん貼って行く。

補強のあるBピラー部は10mm厚のシートを折り込んで差し込むのは難しそうだったので真ん中で一旦切断して両側から貼り込んだが真ん中がぴったり合ったのは奇跡的だった。あるいはじゃまになる三角部分をカットしてあとで貼るのも手だ。

フロントから3段目までは「ペフ」の1m幅をそのまま使えたが4段目は2cmばかり切り詰めた。1列目と5列目は異形となり、特に5列目は右にアンテナがあるので配線や取り付け部分を逃すための修正が必要だった。配線を埋め込んでしまうと後に厄介なことになりかねない。

梁の空洞には手持ちのニードルフェルトを帯状に切り出して詰めておいた。ただし、ルームランプはLED化しておらず当面は発熱のある電球のままの予定だったのでその上部はフェルトを詰めず空洞にしておいた。

全体をローラーで圧着して断熱完了

車の天井の制振・断熱 施工編(1)SEKISUI レアルシルト 制振材

マイカーは黄色ナンバーの売れ筋ワンボックスである。夏場の炎天下はエアコンが効いていても焼けた天井からの熱気が顔の高さくらいまで滞留する。渋滞や信号待ちでは日陰に入りたいと思うし、アイドルストップの時間も短くなる。また、梅雨時期は雨が天井を叩く音もなかなかの騒音だ。

約1.2m x 2.2m

制振材のSEKISUI「レアルシルト 」は固いので数日に分けて事前にカットした

車の天井裏に制振材、断熱材を仕込むには腰から上の内張を外すという厄介な作業を伴い半日以上の時間を要するので土日以外の連休が続くGWをターゲットにした。作業日前日の午後、下準備としてサンバイザーやミラー、ピラーなど外し、ドアを閉めて置ける程度まで準備した。


天井裏にはシール一枚貼られていない、上級グレードにはライニングにシンサレートが貼られているが太陽をいっぱいに受けて暖まった空気は逃げることなくこの空間で熱さを増し天井に湯たんぽを載せたような状態になるわけだ。また、この状況では雨音が賑やかになるのは想像に難くない、世の中の殆どのミニバン系の実情だ。

天井の制振・断熱施工にあたってはアルミテープを準備しておいた方が良い。殆どの車種で天井のライニングに室内灯、アンテナの配線やリヤウォッシャーのホースがアルミテープで固定されている。樹脂テープの熱などによる経年劣化を嫌ってかほとんどの車でこの場所にはアルミテープが使われていると思われる。

配線の固定、テープの貼付位置がわかるようにライニングには印が付けてある。

制振材を切りながら貼るのは効率が良くないので事前に大小の短冊に切り分けておいた。天井裏の写真や梁間の寸法もWEBで調べる事ができたのでおよそ面積などを考慮しながら貼付位置を落書き程度に紙に書いておいた。出たとこ勝負でランダムに貼るよりシンメトリーに施工した方が気持ちいい。当日、天井のライニングを摘出したらシリコンオフで全体を拭う。

拭いていると外板塗装のミストが付着する
ローラーで圧着

梁はコーキングのようなもので天板に点付けされており、それを固定しようとコーキングボンドなどでガッツリ接着する人も見かけるが、メーカーがあえて溶接しないのは車体のよじれなどを考えてのことだと思いやめておいた。車の構造って何も考えていないようでいろいろな計算がされており熱の収縮で歪むとか無用な補強は全体のバランスを崩す事があるのではないかと思うのは素人考えだろうか?

制振材を貼ってコーヒータイムとした

車の天井の制振・断熱材料について(その3)

東レ ペフ

初めて使用

断熱にはなかなか期待できそうなキメの細かい発泡樹脂。軽いので天井の施工に向いている。厚さは5mmや10mmなどがあり、某巨大SNSの施工例を見て天井に使用例の多い10mmをチョイス。無論厚い方が断熱効果を期待できる。気になったのは耐熱温度が70℃である事。この辺、自分で計測していないがググッてみると天井は盛夏でそのぐらいらしいので大丈夫と踏んだ。選択の理由は、粘着剤が塗布されており過去に使用したチップウレタンやシンサレートのように接着剤を使用せずに施工が楽な事。

粘着剤がかなり強力なので貼り直しはきかない、Bピラー部は梁の根元が補強のため三角なので東レペフは当初一枚だったが真ん中で分割して左右から貼った。

平成から令和に変わるGWの10連休に施工。正味の炎天下を体感できていないが、夏日を報道された晴天昼間のチョイ乗りでも車内が蒸すことは無くエアコンを入れるほどでもなかった。

多少の修正を要したが某巨大SNSでサイズを細かく表記されていたので事前に準備出来たのは施工時間短縮に寄与した。先人に感謝である。

車の天井の制振・断熱材料について(その2)

シンサレート

3M シンサレート

シンサレートはどちらかかというとウインタースポーツウエアの保温断熱素材というイメージが強いが、案外自動車用としても使われている。高級グレードやサウンドパッケージ、あるいは上級車の天井の頭上部分やドアの内張に吸音材として使われている事が多い。いかんせんニードルフェルトなどに比べてコストが高いのが難点だが、自動車メーカーが採用するだけの事はある。軽くて断熱・吸音2つの機能を持っているので多少コストが張っても十分使う価値がある。前車では天井裏に制振材の上から鉄板に接着剤で貼り付けて断熱材として使用したが今回は断熱は他の素材に委ねて吸音材としてライニングの上に載せた。

各パネルの裏に貼り付けて吸音・断熱に使用、市販車にも頭上に使われている事が多い
クオーターパネル部
リヤハッチのライニングとして
Bピラーのライニング

どれくらい効果があるかと言われると数値測定をしているわけではないので体感ということになるがエアコンの効きが良くなり車室内が静かになるのはわかる。