今回はWEBで紹介されている無料型紙を利用してパスケースづくりにチャレンジした。未熟なため捻引きが脱線してやや失敗気味。次回以降への課題が残った。
型紙は重要
パスケースを作るにあたっては、WEB上から「革つく」さんというHPの型紙、ならびに指南動画を視聴し参考にさせていただいた。型紙というのは有料DLになっているサイトもあるくらいでKnow-Howの詰まった大切な情報である。形が複雑になれば素人が思い付きで採寸して現物合わせでそうそう作れるものではない。
Special Thanks:
革つくさん
革の購入
手持ちの革がほとんどなくなり新たに材料を買わねばならない。元々、知人からのいただき物の革は革小物を扱う業界の端材だった。新たに材料を購入しようとググったら案外高い。WEBでは風合いや色がわからないので姫路の革メーカさんからまとめ買いすることにした。手持ちで使っていた革が気に入っていたのでメールで問合せ、切れ端を送って問い合わせたところ定番ではないが在庫品があるというので思い切って半裁(牛の背中から左右どちらか半分の大きさ)を購入した。元は2mm厚で、1/3ほどをポケットや付属品などに使いやすいよう1.2mm厚で漉いてもらった。
送料、漉きの手数料込みで2万円強の材料仕込みとなったが、市中の材料屋さんと比較すると1/3~1/4くらい安く入手できた。ただし、224デシあり、半端ない大きさなので一人で使いきれないかもしれない(笑)
※1デシ(ds)=10cm角 「d㎡(平方デシメートル)」の略称
今回のパスケースの場合、ざっと1パーツを1dsとして4パーツで4ds、革の材料費は1ds=約¥100なので¥400というところ。
Special Thanks:
株式会社三昌さん
切り出し
厚手の紙に印刷した型紙を元に革を切り出す。
革つくさんのHPではすべて2mm厚を使っていたが、厚みが出るような気がしたので1.2mmを使用した。
メインパーツをを背中合わせにして1ポケット、両サイドににポケットが付く3ポケットパスケース。窓あきのパッチポケットを縫い付ける分、仕上がりは通常のパスケースより一回り大きくなる。
裏面処理
革を切り出したらトコフィニッシュで裏面を整え、縫い合わせてから作業できない、両サイドポケットのへり落としとコバを仕上げておく。
接着
ポケットの縁に捻引きしてみたのだが、不慣れなため脱線してしまった。カーブの捻引きは難しい。
ポケットを本体両面に接着する。今回は速乾木工ボンドを使った。
縫製
まず、ステッチの入る穴あきポケットを本体片面に縫い上げる。
天地を間違えないように本体を貼り合わせる。
目打ちを入れて縫製
ここで問題なのは革を切り出した時はすべてぴったりだったのに加工を進めていくうちに微妙に合わせ目の断面がばらばらになっていくこと。裏面の加工やコバの処理、縫製するうちに微妙に変化するようだ。
一応、ペーパーでできるだけ断面を削って段々を揃えたが、片面を型紙の段階で一回り大きく作っておいて縫製後に縁を裁断、コバ仕上げをすれば理想的な断面が仕上がるかもしれない。
コバ仕上げ
平らに広げたペーパーの上を前後させて何とかコバを揃えたが、手切りしている角丸部分が特に揃い難い。制作見本では専用の抜型で角丸を裁断していた。角丸は手切りではどうしても歪みが出てしまうので重ねると断面が揃いにくい。
目打ちを垂直に打ち込むのは難しい。目打ちの傾きが作用して私の癖は裏側が表よりも外側になるようだ。
重なったコバそろえるために断面をペーパーで削ったこともあり、ステッチが表側よりも際きわになっているのと、目打ちの傾きが一定ではないのでステッチが蛇行している。。。
夜に目打ちは騒音で憚るので目打ちをセットして打ち込む「目打ち機」なるものが売られており、それを自作している人もある。確かに、騒音も出ないが、垂直に打てるのが魅力的かもしれない。
完成
縫い目がそろわないとか、菱目打ちが垂直に入らず表は揃っていても裏から見るとステッチが蛇行してしまったりなどいろいろ反省点はあるが、数をこなさねば難易度の高いアイテムに進めないので修行が必要である。簡単なものを量産してカードケースくらい鼻歌で作れるようになるには何年かかるのか。。。
手縫い、無心でひと針ひと針縫っていると何か心が落ち着くものである。
蛇足ながら、革の大きさの単位にはアメリカなどで「sq.ft(スクエア フィート)」も使われている。
1sq.ft=9.29ds