ママチャリ2号機のホローテックBB化

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運悪くBBシェル幅が70mmのママチャリの「ホローテック」化はいばらの道・・・
部品を一式買ってしまった以上は何とかするのだw

「チェーンカバー無しにしたい!」

クロスバイク風=チェーンカバーレスは必須

チェーンカバーを外すと一気にママチャリ感を脱することができる。チェーンカバーを外すとなると、衣服の汚れを気にしなくていいようにチェーンガードのついたクランクギヤに変えることになる。以前から目を付けていたのがチェーンガード付のShimano 「ALFINE」のクランク。他のグレードでもクランク+チェーンリング+チェーンガードの単品からの選択肢はあるようだがどう組み合わせていいかわからない。

単純に「格好良さげ」だから取り付けたい。

スクエアタイプの海外製はたくさん見かけるが、やっぱりShimanoを使いたい。Shimano製のチェーンガード付クランクのラインナップは限られているが、「ALFINE」のクランクセットにはホローテックⅡというBBが付属していることが分かった。WEB上でもホローテックBBをママチャリに取り付ける例は紹介されているものの、結局は現物を買うまでわからないことが多かった。

BBシェル幅 70mmの壁

とはいえ、まったく無謀に部品を買ったわけではなく、事前にできるだけ情報は仕入れて臨んだつもり。一般的にママチャリのBB幅は68mm、1、3号機は68mmだったので難なくカートリッジタイプのBBに交換できたが、肝心の2号機のBBは鬼門ともいえるシェル幅70㎜、ママチャリのクオリティなら2mmは誤差の範囲?とタカをくくっていたが、玉砕。。。だが、DIY魂が、逆に燃えた(笑)

クランク交換後のギヤ比とクランク長の違いについて考察

ノーマル時(購入当初)

フロント32T リヤ 14T ギヤ比2.286

内装変速機 Shimano INTER-3換装後

クランクギヤ変更前 ノーマルクランク165mm

フロント32T、リヤ16T
1速 1.466
2速 2.000 ノーマルよりちょい軽め
3速 2.720

Shimano「ALFINE」クランク変更後 クランク170mm

フロント39T、リヤ18T
1速 1.588
2速 2.166 ノーマルよりやや軽め
3速 2.946

クランクが5mm長くなり軽くなる分、ギヤ比が高速化されるのでオフセットされるだろう。

文系なのでまったく物理は理解できないが、クランク長の違いを計算していた方の検証を参考にすると、フロントの歯数にもよるが、クランクが5mm長いと5-8%踏み込む力が軽くなるということらしい。

チェーンの規格が変わる

購入するクランクセットのAlfine S7000/700シリーズ用チェーンの指定は「9s スーパーナローチェーン」となり、チェーンの内幅は2.2mm、指定スプロケットの歯厚が2mmなのでチェーンもスプロケット(小ギヤ)も買い替えなければならない。

購入(用意)したもの

Shimano FC-S501 39T (シングルチェーンリング)BLACK

ALFINEのクランクラインナップは、45T、42T、39Tの3サイズとチェーンガードがシングル(表)またはダブル(表裏)でカラーはピアノブラック、シルバー。

  • シルバー/ピアノブラック
  • 45T
  • 42T
  • 39T

購入当時、39T以外は日本中どこも在庫なし、入荷未定。。。
39Tのシングルガード、BLACKを買う。

シングルスプロケットALFINE CS-S500 18T チェーンガード付き

  • チェーンガードの有無
  • 18T、20Tの2種
  • 9Sスーパーナローチェーン用 2mm厚

ALFINE FC-S501 クランクは9sスーパーナローチェーン指定【1/2X11/128inch(内幅換算2.183mm) (JIS2.2mm)】の為、 2mm厚のシングルスプロケット「CS-S500」 が指定されている。
45T、42T、39Tのクランクに対し、18Tか20Tかの2択。(ALFINEグレードの内装8速または11速に対する推奨前後ギヤ比の設定によるもの)
樹脂製「チェーンガード」付きとチェーンガード無しがラインアップされている。

チェーンガード付は、シングルクランク用チェーンテンショナー CT-S510用に用意されているもの。ママチャリなどのシングルスピード車はリヤエンドがチェーンの長さを調節できる正爪だがエンドの形状によりチェーンテンショナーを使う場面があるようだ。

9s スーパーナロー チェーン CN-H53

ALFINE FC-S501 クランクは、9スピード用のスーパーナローチェーン【内幅11/128inch (2.2mm)】が指定、汎用品もあるだろうけど素人には互換性について自信がないのでSHIMANO純正品一択。品番CN-HG93(亜鉛メッキ加工)、または CN-HG53 から選択、ちょっと安めのCN-HG53とそれに合うKMC製ミッシングリンク、激安チェーンカッターを調達。

コンポーネント間の互換性について

Nexusブランドの内装3段変速機(INTER-3)とALFINEブランドの小ギヤ、2mm厚のCS-S500の組み合わせは公式には「互換性」なしとなっているので自己責任での選択である。下記にShimanoの互換表を示しておく。

必要なSST

ホローテックⅡのアダプタ用とクランクキャップ用SST

ホローテックⅡのBB用のレンチとクランクキャップのアダプタを購入。
同じホローテックⅡのBBで小径の物も存在し、樹脂製のアダプタが必要なこともあるが、その際はBB側にアダプタが付属されているとのこと。社外品も多数発売されている。純正の安いものを買った。残念ながらこのレンチを使うとアダプタに爪痕が付いてしまう。。。傷が気になるようなら上位のTL-FC33を使った方が良いかもしれない。

交換作業

右ワン外しが肝

クランクを外すところまでは以前、カップアンドコーンBBのオーバーホールで手順を踏んでいるのでサクサクと取り外し、チェーンはチェーンカッターで切断した。
右ワンはカートリッジに交換した他の2台と同様に固着気味だったが、専用SSTを使い、車体を寝かせてクロスレンチを使えば外れた。BB断面はママチャリクオリティだからか、断面が処理されておらずバリだらけ。このままだと中心部は70mm以上の幅である。右ワン外しには専用SSTを持っていた方が作業がはかどる。

BBの切削

当初、誤差の範囲で付くんじゃないか?と無加工のままでBBを組付けクランクをセットしてみたが、右クランクと一体のシャフトの突き出しが足らず、シャフトが左クランクの厚みの半分くらいしか入らなかったので外れ止めストッパーがセットできない状態だった。切削しなければ先に進めない、大きなやすりを用意し、マスキングテープで切削の目印をつけて地道に切削するが、中学校の技術の時間に「文鎮」を作って以来の「やすり作業」になかなか平らに削るのは難しく、焦らず作業した。もちろん、自転車を大きな台に寝かせて削る環境があればより平らに削りやすいとは思う。

BB幅66mmを目標に左右を1mmずつ削ってみる

当初、BBの縁からねじ山までの1mmを目安に両サイドを削って仮組みしてみたが、左クランクの厚さの2/3くらいまでシャフトが入ったものの、抜け止めのストッパーは止まらなかった。ストッパーが止まるまでには目測で更に2mmは削る必要があった。

現物合わせ

右側を削りすぎるとチェーンラインを崩しそうだったので、右はそれ以上手を加えず、左側のみ更に2㎜見当で削った。結果として右を1mm、左を3mm、仕上がりまで合計4mmを削り込んだことになる。現物合わせのトライアンドエラーは改造あるある。BBの縁を通り越してねじ山も削り込んでしまったので山が崩れてアダプターがねじ込めるか若干不安はあった。

そして、、、養生していたのにフレームも削ってしまった。とりあえずさび止めを塗っておく。

BB組付け前の仕上げ

切削面の錆び止めが必要だが、手持ちには黄色の塗料が無かったので、マスキングしてありわせの塗料を吹いて切り口をさび止めしておいた。

BBの組み付け

ねじ部にグリスを付け、手回しであたりがついてからSSTで締める。ちょっとでも固いと感じたらねじがはまっていないのでやり直す。

クランクの取り付け

右クランクを差し込み、左クランクをシャフトに取り付ける、とりあえずストッパーははまったので良しとしたが、ここには1t近く力がかかるらしいので本当はもう少し削って(あと1mm)嵌った方が気持ちがいいはず。

この樹脂キャップ一個のために価格は高くはないが専用工具を買わされる矛盾。ヘキサゴンじゃダメ?Shimanoさん。

スプロケット(小ギヤ)の交換

後輪を外してシングルスプロケットをALFINEの18T(2mm厚)に変更
Cリングの脱着も結構難関だけど慣れたらその辺に転がっている先の細い工具や釘でこじれば外せるようになる(笑)

取付完了

チェーンの長さを確認してカット、ミッシングリンクをセットして張りの調整。

チェーンカバーが無いとママチャリ(シティサイクル)感が消え、スッキリする。

チェーンラインも問題なし!
グレーのベルクランクカバーは合間に手持ちの艶消し黒を吹いておいた。PEなのですぐ剥がれるかもしれない。

ホローテックBBのすごさ

組み上げて乗ってみると驚くほどなめらかでダイレクトな漕ぎ味に驚いた。上級コンポーネントで組み立てられたバイクを買えば良いんだろうけど。。。
気になっていたクランクと小ギヤ変更によるギヤ比の変化はほぼ感じなかったので考察通り。

タイヤの脱着

先般、1号機のタイヤを替えたとき、前輪はまだ使えそうだったのでヒビだらけの2号機のリヤに流用することにした。いずれは「ブランド」もののタイヤに替えようW

ていうか、パーツはどんどんいいものに変わっているのにタイヤだけボロボロでちぐはぐだ。

ご注意

ママチャリのBBホローテック化については自転車本体も補修用パーツもメーカーが互換性を保証しているわけではなく、このサイトを参考にされてもお持ちの自転車が同じように交換できるとは限りません。自転車整備には民間の整備資格もありまずが当方は無資格です。個人の趣味として楽しんでいるもので、時に互換性がなく購入したパーツが使えないようなこともあります。万一の場合、改造として販売店やメーカーの保証が受けられなかったり、補修パーツも本来は整備業者向けのものがネット上に流通しており自由に購入できますが、参考にして作業されてうまくいかなかったとしても当方は責任を持てませんので自己責任で作業願います。

NEXUS用シングルスプロケットの厚歯・薄歯(補足情報)

厚歯3mmと薄歯2.3mmの違い

ALFINEの指定は2mm、NEXUSシリーズの内装3速、内装7速、内装8速用のスプロケットについては厚歯(3mm)、薄歯(2.3mm)、歯数はそれぞれ14t、16t、17t、18t、20t、21tが用意されている。

厚歯:チェーンサイズ『1/2×1/8インチ』(内幅換算3.175mm)JIS3.3mmとされ、ピスト車や実用車、BMXに使用されており変速には対応していない。

薄歯:チェーンサイズ『1/2×3/32インチ』(内幅換算2.381mm)JIS2.4mm、外装6-8段用

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