レザークラフトで手帳カバーを作る

レザークラフト 手帳カバーを作る

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家人が長年愛用するスケジュール手帳のカバーを作ってみた

合皮表紙のスケジュール帳

家人が長らく愛用している某通販会社のオリジナル手帳は毎年発売され、中身とともに合皮のカバーのデザインやカラーが変わるが、合皮といってもほぼビニールといった素材で安っぽくもある。

それはそれで悪いものでもないのだが、革は半裁を買って沢山あるし練習がてらカバーを作ってみることにした。

採寸と型紙づくり・革の切り出し

型紙といっても長方形のみの構成だったので厚手の紙を使って型紙を採寸し革を切り出した。

本体は2mm厚を使用、前回の名刺入れで革の厚さと張りで仕上がり寸法が思ったより変わることを体感したので縦5mm、横方向に1cmプラスした。

ポケット部は1.2mm厚、手帳のサイズも小さめなので革が幾重にも重なって分厚くならないように考える。

コバの仕上がりを考え、ポケットは本体より5ミリ大きめに切り出し、縫製が終わってから揃えることにした。

裏の処理

トコフィニッシュを使って切り出したパーツの裏処理を施す。

ガラス板を持っていないので底が平らなガラスコップを使ってしごき布で磨く

ベルトの位置出し

ポケットを縫い付ける前に、ベルトとベルト通しを本体に取り付ける。

ベルト部にステッチを施し、ベルト通しは型紙に位置出しする。切り抜いた型紙をガイドにして革の表面をカッターナイフで荒らす。

ベルト通しはオリジナルは切り込みを入れて両端が中で接着されていたが、形状を変更した。

ベルトの縫い付け

ベルトは本体に縫い付ける部分だけステッチを残しておき、本体に接着後、菱目キリで貫通させて縫い付ける。

ベルト通しの接着準備

まず片側を接着、縫製し、ベルトの代わりになるものを挟んで余裕を確保し、残りの一方を接着、縫製する。

ペンホルダーの取り付け

ペンホルダー部はオリジナルを見るとポケット部を欠いて縫い付けてあった。厚みを押さえる意味でも有効かと思う。縁から3mmで菱目を入れて縫製するので切り欠きは5mmにしたのだが、縫い付けがギリギリになったので、のりしろは8mm~1cmでもいいかもしれない。ポケットを切り欠く位置を型紙にトレースしてから革を切り抜いておき、ペンホルダーを本体に接着。

ポケット部のコバ処理

縫製前に縁にヘリ落としをかけ、捻引きを入れ、トコフィニッシュでコバを磨いておく

型紙をあててペンホルダーの切り欠きをカットし、軽く縁を漉いてみた。ただ、慣れないせいか「別たち」による革漉きは難しい

ポケットの設計変更

向かって左側のポケットは2段、表紙をいれると革3枚が重なり分厚くなるので財布を作る時のポケット部のような形にしてみた。上下の重なる部分を斜めにカット、端の部分は当初採寸して切り出したものから1cmカットして重なるポケットだけを縫い付けるようにした。

これによりポケットの縫製は一枚分の厚さにできる。

縫製準備とコバ仕上げ

パーツの接着が終わった。

ボンドが乾いたらはみ出しているポケット部を切りそろえ、全周にヘリ落としを施す。

ペーパーや、やすりを使って端面を綺麗にして床フィニッシュで磨く。

目打ち・縫製・捻引き

ビギナーなのに、糸を刻まず全周を一気に縫製しようとして糸を長く取ったら取り回しに苦労して縫製に時間がかかってしまった。

なお、菱目打ちは革の重なりが厚い時に貫通させようとして強く打ち込むと穴が大きくなってしまうので完全に貫通しない程度に打ち込んでおいて全周を菱目キリで突き直して貫通させた。

革の厚さと張りの作用は大きく、寸法をオリジナルよりも大きめにとったつもりでもノートを差し込んだらキチキチだった。
革の材質や厚さ、柔軟性の有無で寸法の加減を変えないと思ったような仕上がりにならないことを実感しているが、この「勘どころ」は色々作ってみないと解らないかもしれない。

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