ママチャリ1号機のヘッドパーツを交換する

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錆がひどく、作業的に敷居の高いヘッドパーツを交換した。

錆び錆びのヘッドパーツ

錆び錆びのヘッドパーツ、カゴのブラケットも錆び錆び。
ノーメンテのママチャリあるある。

10年以上く乗りっぱなしならこれくらいは錆びていて普通
ママチャリ・シティサイクルだと朽ちて捨てるまでここを取り換える人は稀だろう。

工具・ヘッドパーツの調達

ママチャリのヘッドパーツをバラしたり、オーバーホールする人は案外少ないようだ。構成パーツ数が多く、圧入された勘合部分を脱着するのにSST(専用工具)ないしは別の工具を代用するなりの工夫が必要になり、交換・脱着するにの作業難易度が高い。

ヘッドセットリムーバー

上下のパーツ(ワン)がヘッドチューブに圧入されているのでそれを外す工具だが、案外高い。
 時間をかけて探したら財布に優しいものを見つけることができた。ママチャリはステム径が22mmなので、それ以下用のものを探せばまちがいない。シティサイクルがOKとあっても製品の中には22mmより太い1インチ(25.4mm)用のものがあるので注意。買ったものは本体が20mm径、掲載されたばかりでレビューが無く、中国から郵便で直送されるという不安もあったが結果的には良い工具だった。

急がば回れ

使うのが一回きりでも専用工具を使うことで無駄な労力を費やさずに済むことが多い。逆に一回きりならできるだけ安いものを探した方が良いかも。

ヘッドパーツ

これが一番難しい。種類が多く規格が難解で買うには勇気がいる。
とにかく
JIS(30.0/27.0mm)というのが一般的なママチャリ用である。
TANGE SEIKIのものを購入。

「30mm」は、フロントチューブにはめ込む上下ワンの口径
「27mm」はママチャリ規格の1インチ径(25.4mm)のフロントコラムに嵌めるクラウンレースの内径(コラムの根本だけ太くなっている)。

錆の酷かったカゴステーもステンレス製を別途調達

ヘッドバーツの交換

ハンドルを外しフロントフォークを引き抜く

前ブレーキのケーブルを外してハンドルステムを外し、フロントフォークを引き抜くまではさほど難しい作業ではない。元が日本製だからか、市のシルバーセンターの整備中古車だった1号機は錆び錆びでもベアリング部のグリス切れを起こしていなかった。

第一関門:クラウンレース

まずはフォークにはめ込まれているクラウンレース。下側でベアリングを受ける大事なパーツ

もちろんここを外す専用工具もあるようだが、私は先人を参考にフォークをさかさまに立てかけて貫通のマイナスドライバーで叩き出した。場所を変えながらできるだけ斜めにならないよう均等に叩き出すのがコツ。

第二関門:ヘッドチューブの上下ワン

ここで登場するのが専用工具、お弁当のタコウインナーのようなヘッドセットリムーバーをおしりから差し込み、内部で広がった先端が、はまりこんでいるワンと噛み合う。念のため作業前にCRCを吹きかけておいた。一撃とはいかないが3発目くらいでヘッドセットリムーバーと一緒にワンがミサイルのようにぶっ飛ぶので怪我に注意。上ワンはハンマーが振りにくいので車体を寝かせて叩き出した。たったこのためだけに買うSSTだがその価値はある。
ヘッドパーツ交換に関する自転車屋さんの提示工賃は4~5千円。ママチャリの場合、この部分はオーバーホールすらせずに乗り捨てられてしまうことが多い個所ではないかと思う。

組付け

フロントフォークのクラウンレースは、外すときと同じくマイナスの貫通ドライバーで縁の部分に先を当てながらプラハンマーで少しずつはめ込んでいく。斜行すると嵌りにくい。ネット通販のレビューにパーツの順番がどうのこうのと書いてあったが、組付け順にセットして丁寧に梱包してあったし、英文の「ペラもの」ではあるが構成図の付いた説明書もあるので組違うことはないはず。TANGE製は元々ついていたものより樹脂製のパッキンなどが構成されているのでパーツ数が多い。蛇足ながら、ネットのレビューにプラパーツでコストダウンされ耐久性が悪いんじゃないかと訝しがるコメントもあったがそのパッキン類の事を言っているようで、勘違いかと思われる。

球当たり調整

ちょっと面倒なのは球当たり調整。締め付けすぎると操舵が渋くなり、緩すぎるとガタが出る。
きつめからわずか緩めたところがベスト。

上下のワンのはめ込みは、下記に紹介したような専用工具を使うのが正しい組付け方だが、私はケチってプラハンマーでたたきこんだ。プラハンマーの径がちょうどワンにはまるサイズだったので、プラハンをワンに嵌めてその上から鉄ハンマーで叩き、先が水平に嵌ったら、プラハンマーで直接ワンの縁をたたいていく、打つ場所を対角線上に変えながらすこしずつ叩けば斜行せず収まるはず。パーツが鉄製だったので気にせず叩いたが、アルミ製だと変形を考えた方が良いかもしれない。上下のベアリングと玉抑え部分にグリスアップ、当たりが付くのを考慮してハンドルの動きが気持ちわずかに渋いくらいで玉押しを締めて、かごブラケット、ワッシャーを固定する。

32ミリの鉄製スパナが活躍した。

ちょっと艶を押さえた輝きがGood!

外見が錆び錆びだったパーツの状態

多少、埃などが混入して粘度は高くなっていたがグリスが切れてなかったので、錆が出ている割に内部の状態は良かった。市のシルバーセンターで買った整備済み中古車の1号機はBBなども思ったほど状態が悪くなかったので一通り丁寧にオーバーホールしてあったようだ。組付けも機械締めのように馬鹿ほど固く締まっているという事が無いのも手による整備だからだと思う。

フレームの塗装などにヤレはあるもののポンコツ感は脱したと思われる1号機

Amazonでは鉄製のヘッドパーツの取り扱いが無かったので同じJIS規格のアルミ製を載せておいた

ヘッドパーツのJISサイズについて

ママチャリ用JIS(30mm/27mm)

こちらがヘッドチューブに対して上下にはめ込むベアリング受け
このサイズが30mm

こちらがステアリングコラムにはめ込むクラウンレース
内径が27mm ステアリングコラム径は1インチ(25.4mm)だが根本が太くなっている。

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