切り花の挿し木、チャレンジしたのが秋という事でその経過を追っていきたい。
新種のため、四季咲きなのか枝ぶりはどうなのか? 接ぎ木に比べ挿し木は根が弱く生育が脆弱といわれれているので十分に育つのかを含めて追っていきたい。
切り花の秋挿し
家内が買ってきた切り花
アレンジ中に一本首が折れてしまい、枝をもらい受けて挿してみたのが2022年10月のこと
品種について
ググってそれらしいものを見つけたが、カタカナで「マンゴーリーバ」という新種だと分かった。農水省の品種登録も検索してみたが、同名では見つからず、英名も不明。
「Mango Riva」という記述を見かけたが「Riva」は検索すると英語他主要な言語で見つからないので定かではない。
また、切り花の為、どのような樹形、咲き方なのかも不明だが、たぶんHTだと思われる。
後日、品種について動向を確認できた。2022年、日本ばら切り花協会の「第64回日本ばら切花品評会」において1位、農林水産大臣賞を受賞した福岡県うきは市の「松浦バラ園」の作出であることが判明した。発表から1年経っていないため品種の登録等も進んでいないのかもしれないが、2023年3月にはネットオークション等でたぶん、切り花を使ったと思われる「挿し木苗」が安価で出回っていることを憂える。。。
2022.10.10挿し木
何度か挿し木には成功してきたので水揚げ、カット、いつもの手順で挿し木した。
- メネデール溶液で数時間水揚げ
- 赤玉土100% 十分に水を浸透させておく
- カッターナイフの新しい刃で切り口をカット
- 切り口にルートンを塗布
- 下穴をあけ枝を挿したらしっかり固定
- 半日蔭で風通しの良いところに置く
- 乾燥させない
- 適度に忘れる
鉢は3号スリット鉢(9cm)
2022.11.19 発根を確認・鉢上げ
鉢は4号スリット鉢・ロング(12cm)
用土はバラの土、赤玉土、ピートモス 目分量で配合したが、5:3:2くらい。
2022-23 FALL & WINTER
秋挿しは初めてのことで、養生についてはよくわからず、12月になってからは幾分暖かいベランダのサンルームに置いて、週一から10日くらいのインターバルで土が乾いたら水遣りしながら見守る
新芽が出るわけでもなく葉が少しずつ黄変して枯れ落ちていったので不安だった。
2023.2.5 新芽を確認
春先を迎え、気温の上昇とともに葉の付け根から新芽が現れる。
どうやら挿し木は成功したようだ。
2023.3.28 成長著しく、少量の施肥をする
最高気温が20℃前後となり日に日に大きくなるのがわかるようになった。
ここですぐに鉢増ししたくなるが。。。
鉢底から根が出るのを待った方が良いらしいのでもう少し見守ることにした。
週一回程度、適度に降雨があるので特に水やりはしていない。根は適度な乾燥がないと発達しないらしいのでこの時期は葉が垂れてくる水切れギリギリまでは水やりしない方が良いようである。
ごく少量、施肥した
2023.5.12 しばらくの間成長が止まっていたが
上記、3月末以降、急に成長が止まり、枯れるのかと思うような状態が1ヵ月ばかり続いた。風の強い日に葉が折れてしまったり、雨にあたる場所に置いていたので下の方の葉が黒点病で落ちるなど、葉色もいまいちなので南に面した日当たりの良い軒下に避難させた。
大きい方だけ鉢増しする。
2023.5.20
ゴールデンウイークあたりに一番花が満開を迎える品種よりやや遅れて成長を見せ始める。大きい方も小さい方も同じ枝からとった挿し穂、若干の成長の差がある。いずれも新芽のに蕾を付けようとしていたが、は成長を優先してピンチ。秋までは株の充実を見守りたい。果たして一季咲きか四季咲きか?
庭のプリンセス ドゥ モナコは他の品種が花を充実させているGW頃はわずかに2輪咲かせて沈黙していたが、遅れて新芽を出し始めているので同様、少し遅めに咲く品種なのかもしれない。
2023.5.24
日に日に大きくなるのがわかる。
今年の春購入した新苗3株の勢いを凌駕する程である。
ロザリアンの座右の銘、「適度に忘れる」のは大事だがついつい気になるもの。
2023.6.10
鉢が4号のままだった一株
やっと6号を用意できたので鉢増しした。
何故か株の大きさに凸凹が付いているが、一本から挿し穂を取った際、どちらが上だったか下だっかかは今や不明。
大きい方、三か所ほど蕾を持ったので一つだけ残して咲かせてみようと思う。
株の充実のために幼苗の間はピンチするのが定説。一輪咲かせて弱って枯れることはないと思うので花を見てみたいところ。
大きい方の株に蕾が付いた
しかしながらいずれも雨にあたってしまい少し開いた先が真っ黒になっていたのでピンチした。
大きい方はシュートが出ておりその先に着いた蕾を温存して花を観賞してみることにした。
2023.7.4 開花
梅雨の雨で全体的に鉢植えが弱ってしまい、軒下に入れたが、若干縁が黒く傷んだものの、親の切り花と同じものが咲いた。
当たり前のことだが感動する
開いてくるとさらにボリューム感が出て綺麗だ。
直前まで雨の当たる場所に置いてあったので縁が雨にあたって変色してしまったのが残念。
もしかしたら地植えに向かないかもしれないのでそのあたりはもう一年くらい株を育てて一株を地植え、もう一株をそのまま軒下で鉢植えするなど実験してみたい。
根頭癌腫病 2023.6.25
鉢の中の小石かと思ったら癌腫病だった。
成長の遅かった方の根元に石があるように見えたが、癌腫病だった。
諸説あるが、植え替えや休眠時に掘り出して塊を取り除き、傷口にトップジンなどで保護、成長が続くようなら引き続き栽培しても問題なさげなことが解った。ただし、弱っている株やコガネの幼虫に根を食い荒らされた別の株などには癌腫病が移る可能性があるとのこと。塊が二つあったので取り除き根元をナイフで掻きとって新しい土で植え直してみた。
サイトによって対処法も考察も様々な「癌腫病」
メンテに使った機材や鋏はすべて消毒、株や土は全て処分しないと大変なことになるという人も多い。地中に一定量存在する常在菌が原因なので予防的な薬剤や、直接癌腫病に効く薬もないことから、恐ろしい病気だという説になるようだが、パニックになることもないかと思った。
植え替え
この時期、「根鉢を崩すな」とか、大切に扱うべき時期なのは周知のこと。病巣のを見るため根を洗い出して塊を見た瞬間、一旦はゴミ箱に入れたのだが半日過ぎても萎れておらず、かわいそうになって癌腫を取り除いて新しい土に植え直した。株自体は元気だったのか、植え替え後何事もなかったように成長を続けているから不思議。せっかくなので癌腫病の予後も含め見守ってみたい。
癌腫病の株その後 2023.7.26
植え直しから1カ月ほど、枝葉が伸び蕾を付けた。ピンチも考えたが、そのまま咲かせてみた。
土を上から確認する限りは癌腫が再び大きくなっている感じはなさそう、このまま見守り秋から冬にかけて根が張っているようなら鉢増しを検討しその際、癌腫のその後を確認してみよう。
癌腫病のその後 2023年8月12日
花後に再び元気がなくなったので調べたら癌腫が再発していた。
この時期、根鉢を崩すのは危険だが、瘤をナイフで削りトップジンを塗布して新しい土に植え替えた。
2023年8月23日
癌腫病にならなかった方の株は、時折花を持ちながら徐々に枝葉を増やしている。
成長の為には蕾はピンチしてもいいのだが、それなりに鑑賞を楽しんでみたり。
病気の株は、一進一退。
2024年1月6日
冬剪定に合わせて八号鉢へ鉢増しした。
2024年5月20日
年初に8号鉢にに鉢増ししてからは一人前といっても過言ではない枝ぶりと開花を見せてくれる。