スタンダードローズにはまず、台木の準備が必要
近くの河川敷から挿し穂を切り出して挿し木した
スタンダードローズ
スタンダードローズとは
スタンダードローズとは、ノイバラなどの成長した直立枝の先端に接ぎ木や芽継ぎを行い、高い位置で咲かせる手法である。
写真は大阪市の「中之島バラ公園」に展示してあるもの。
利点
高い位置で花を楽しむことができるのと、地面から離れているため風通しも良く、うどん粉病や黒星病にもなりにくいとのこと。
「中之島バラ園」内のカフェのテラス席を生垣のように囲む並ぶ姿は圧巻だ。目隠しにもなるしテラスに座る人の目線でバラを鑑賞できるのがいい。
接ぎ木も芽継ぎも経験のない素人がこれをやろうとするのは無謀かもしれないが、何事も経験だし、失敗して詰られるようなこともないのでチャレンジしてみることにした。
台木の準備
ノイバラの台木
WEBで調べてみると、野山や河川敷などで自生しているノイバラのシュートを掘り出すか切り出して挿し木して台木を用意するらしい。根から掘り出すと植え替えた時に定着しやすいが、「癌腫病」というバラには厄介な病気に注意が必要らしく、概ね枝を切って挿し木で準備するのが一般的な方法らしい。
ノイバラの種を入手して一から育てるという方法もあるが、スタンダードの台木に使えるまで2,3年かかるようなので挿し木が一番近道だと思われる。
近くの河川敷で台木を採取
大きな川の河川敷であれば水辺に近いあたりにノイバラは自生している。
採取するのはいいが、万一窃盗や何かの法律でお縄になってはいけないので念のため管轄の河川管理事務所に確認してみた。
「個人的なものなら掘り上げての持ち去りも問題ない」との回答。ただし、「希少動植物に該当するようなら環境省への問い合わせが必要なこと、河川敷内でも自治体などが管理する公園はそのルールに従っていただきたい」との丁寧な回答があった(回答は要約)
ノイバラは春から夏にかけては花が咲いているのでわかりやすいが、秋から冬にかけては赤い実(鳥が食べてなくなっていることもある)が目印になる。
大半のノイバラはトゲがあるし、蛇や蜂など予期せぬ被害もあるので採取には怪我をしないよう長袖や手袋などそれなりの服装と装備が望ましいとは思う。
1㎝~1.5cm径で直立したシュート、緑の若木ではなく2年目くらいの充実したものが狙い目らしい。
台木は、秋から冬に挿すのが一般的らしいが、思いついたのが5月のことなので欲張らずに2本ほど見繕って切ってきた。
花や蕾、トゲは全て切り落とした。小枝や葉は先端部を残してカット、切り口は傷み・乾燥防止に「トップジン」を塗布した。
一応バラの挿し木の手順で枝をメネデール溶液で水切りし、半日くらい漬けておいた。
用土は今回より、挿し木の根出し促進に良いといわれる「ミリオン」を赤玉土の小粒に1割ほど混入した。
2023.5.6 台木の挿し木
4号ロングのスリット鉢を用意し、切り出してきた枝の切り口をナイフでもう一度切り直し、ルートンを付けてバラの挿し木と同じように挿した。
台木は丈夫な支柱に麻ひもでまっすぐになるよう縛って先端を動かないよう固定。
春(初夏)に挿している例をあまり見かけないのでどうなるかわからない。葉を残せばよいのか丸裸にすればよいのかわからなかったが、若干残してみた。
残した葉が枯れたら失敗の目印になる。
他のバラの挿し木と一緒に東側の明るい日陰で見守る。
2023.5.21 台木の枝から新芽が出現
この時点で挿してからまだ2週ほど、発根しているか未確認だが、枝の中ほどに新芽を発見。
台木は枝が太くて長い分、枝の持つ水分や養分も十分なはずなので挿し木が着いて芽吹いていると思うのはまだ尚早だろう。とりあえず、芽はナイフで削り取ってトップジンを塗布しておいた。