一般的に廉価版ママチャリはコストをかけていないので前ブレーキはごく普通のシングルピボットというものだ。本体は鉄板の打ち抜きプレスで、ばねによりセンターを維持する機構は持っているが、経年劣化により維持できなくなり、ブレーキシューの引き摺りが発生していることが多い。
今回、一番稼働率の高い家内の5年物ママチャリの引き摺りが気になるのと、シューも硬化してくたびれていたので試しにデュアルピボットブレーキに換えてみることにした。WEBによると、支点が2つになることで締め付ける力も強くなりアルミの鍛造で剛性もしっかりしているらしい。
家内の6Sママチャリに装備されていたのは廉価ママチャリによく使われるYSB、吉川製作所というメーカーのもの。もちろん粗悪品というわけではなくてそういう「グレード」の装備ということで基本機能に問題があるわけではない。
購入したのはリプレース用の定番、台湾製の「TEKTRO」
日本のブランド自転車や電動アシスト自転車にもOEMで多数採用されており信頼性は高いようだ。
ただ、WEB通販の見本写真ほど綺麗に鏡面仕上げされていなかったのはちょっと残念かな?(笑)
購入したのはシルバーの800Aという品番のもので、2021年に入ってから品番が810にランニングチェンジされているようだが、デザイン、機能に大きな違いはないと思われる。
交換についてはHow toするほどでもなくて、10ミリの工具があればあっという間に交換できてしまう。エンドキャップを忘れずに。
さてはて、交換後、試乗して驚いたのはレバーを握るとすぐにしっかりと効き始めて、停止直前にギューッと締まる感じで効きが深くなること。多分アームの剛性が高くなったのと支点が増えたことで、てこの原理が強くなり同じ力でブレーキレバーを握った時にシューを押し付ける力が強くなっているようだ。ブレーキをロックした状態で車体を前後に揺するとカチッとしていることが良くわかる。
ブレーキシューには添付のものは効きが良くないとかでシマノ製に換えてしまう人が多いらしいが、カチカチに硬化し、劣化したシューからの交換でひとまず効きは良くなっているから次のステップとしたい。
2021年2月現在、シルバーは旧品番、黒は新品番のよう。
蛇足ながら900という品番はアームが長く一般的なママチャリは800、810から選べば良いようだが、すべてのママチャリをカバーしているかは不明なので個々のママチャリに適合するかは関知するところではないのであしからず、自己責任で購入願いたい。